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補体の生理学と病理学
水谷 昭夫
1
1京府医大・臨床検査部
pp.893
発行日 1970年9月15日
Published Date 1970/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906901
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1.補体系の個体発生
補体(complement)といえば,梅毒補体結合反応に用いる試薬の一種ぐらいに思っている人があるかもしれない.実は,補体はある種の免疫グロブリンがその生理的機能をまっとうするために必要なものであり,また,場合によっては,その逆に生体に有害な抗体が病理的に作用する際の重要なエフェクターでもある.
ブタの補体系の個体発生が,抗体産生機能の展開よりも早期に始まる(N.K.B.Day, R.T.Pickering, H.Gewarz, R.A.Good,1964)のは,上述のことを裏書きするひとつの事実であると考えられないことはない.
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