研究
濾紙電気泳動技術に関する研究—第2報 われわれの行なつている基本操作法と,そのうらづけ
佐藤 乙一
1
,
橋本 文雄
1
,
大竹 敬二
1
,
近藤 昭二
1
,
吉田 寛
1
1国立立川病院研究検査科
pp.99-105
発行日 1961年2月15日
Published Date 1961/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905796
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I.まえがき
前報において,濾紙電気泳動の開始から,完了にいたるまでの操作のうち,とくにroutineとして,日常検査を行う場合の注意すべき点を,研究結果にもとづいて報告したので,今回は,われわれが毎日行なつている,いわば,"われわれの標準操作法"ともいうべきものを述べ,さらに,なぜその方法を採用するようになつたかについて,そのうらづけを発表する。
前報から,今回の報告にかけて発表しているもののなかには,泳動学会の標準法や,この道の専門学者がすでに発表している研究を否定したかにとられる部分もあるかも知れないが,そのようなおおそれた気持は毛頭ない。ただ,泳動学会の標準法は,数ある各式の泳動装置万般に通ずる基本的なものであるのと,また,各専門家が,発表されているもののなかで,泳動操作に関するものは,そのほとんどが,ある特定の器械についてのみの研究であつたことをまず心にとめてこの研究を御検討いただきたい。そこで,いま,あらためていうまでもなく,複雑な器械になればなるほど,おなじ目的のために作られた器械でも,型や式がちがえば,そのつかいかたや,諸条件がちがうものである。泳動装置についても,また例外ではない。そういう意味で,われわれがこの発表するにあたつて,本意ではなかつたが,現在使用中の泳動装置名,製造元までを前報においてあきらかにしたのである。たとえおなじ様式の器械においても,一器ごとにそのクセや特長,欠点はある。
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