特集 細胞診―21世紀への展望
第4章 判定の実際
12.消化器:高分化型肝細胞癌の鑑別
石原 明徳
1
,
小林 省二
2
,
広岡 保明
3
,
水口 國雄
4
,
野々村 昭孝
5
Akinori ISHIHARA
1
,
Shoji KOBAYASHI
2
,
Yasuaki HIROOKA
3
,
Kunio MIZUGUCHI
4
,
Akitaka NONOMURA
5
1松阪中央総合病院臨床病理
2香川医科大学病院病理部
3鳥取大学医学部第1外科
4帝京大学医学部附属溝口病院臨床病理科
5金沢大学医学部附属病院病理部
pp.1319-1322
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904565
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はじめに
超音波,CT,MRIなどの画像診断の発達に伴い,肝硬変や慢性肝炎(ウイルス性)に小型結節性病変(2cm以下)が発見されるようになった.小結節性病変にはごく小さい肝癌(細小肝細胞癌)をはじめとする種々の病変が含まれており,病理学的組織診断および細胞診において良性悪性の判定に苦慮することがある1).画像診断の診断精度の進歩,術中超音波検査の開発によって肝小型結節性病変の良性悪性の判定や質的診断が可能な例が増加しているものの,確定診断は針生検および生検材料のスタンプ材料や穿刺吸引による細胞診によって行われている.今回肝細胞癌のうち診断が難しいとされる高分化型肝細胞癌の細胞像の特徴について述べ,鑑別診断が必要とされる病変について述べる.
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