特集 細胞診―21世紀への展望
第3章 検体処理と標本作製
2.検体採取の新しい試み:婦人科領域における細胞診検体採取法―その現状と展望
藤原 潔
1
Kiyoshi FUJIWARA
1
1東京医科大学霞ヶ浦病院産婦人科
pp.1247-1250
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904543
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はじめに
婦人科細胞診はPapanicolaouによる腟分泌物細胞診に始まり,そのアプローチの容易さから子宮頸癌での検討が他の臓器に先がけて行われ,子宮頸癌の自然史解明に大きな役割を果たした1).その後,細胞診の適応範囲は拡大し,現在,産婦人科領域で行われる細胞診は外陰,腟,子宮腟部・頸管,子宮内膜,腹腔表面,腹水,卵巣など広い範囲に及ぶようになった.そのなかでも子宮頸部,体部の細胞診は老人保健法による婦人科癌検診の中心手段として大きな役割を果たしている.また近年,腹腔鏡手術といった新しい手術術式の導入や,腹腔内リザーバーといった新しい機械を用いた患者管理法の普及により,腹膜,体腔液,卵巣腫瘍内容液なども取り扱う頻度が増加している.
本稿では婦人科領域細胞診における採取法の現状を紹介し,さらに今後の展望について検討してみたい.
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