特集 臨床細菌検査
Ⅱ.検体の正しい採取法
三輪谷 俊夫
1
1大阪大学微生物病研究所
pp.1219-1222
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912015
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臨床検査は診療収益をあげるための手段でもなければ,医師や検査担当者の学問的自己満足を満たすためのものでもない.臨床検査が患者の診療に役立つという検査本来の目的を達成するためには,主治医はその感染症の本態,特徴をよくわきまえて,起病菌の宿主体内分布に応じて起病菌が含まれている可能性の最も高い患者材料を,雑菌汚染のないよう無菌操作によって採取し,滅菌された容器に入れて検査施設へ提出する.
"どのような感染症では,どのような時期に,どんな患者材料がどれ位採取すればよいか"ということは非常に重要であるが,たとえ患者材料を適切に採取しても環境雑菌の汚染があれば検査操作はたいへん複雑になり,しばしば無意味な検査に終わってしまうので,片時も無菌操作を怠ってはならない.
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