特集 細胞診―21世紀への展望
第3章 検体処理と標本作製
3.検体採取の新しい試み:呼吸器領域―肺末梢孤立性病変に対する吸引細胞診および喀痰検診要精検者に対する蛍光内視鏡検査
馬場 雅行
1
,
渋谷 潔
1
,
藤澤 武彦
1
Masayuki BABA
1
,
Kiyoshi SHIBUYA
1
,
Takehiko FUJISAWA
1
1千葉大学医学部肺癌研究施設第1臨床研究部門
pp.1251-1254
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904544
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はじめに
最近の肺癌検診方法の進歩は目覚ましく,肺野末梢領域ではヘリカルCTを用いることで陰影の直径が10mm程度の超小型肺癌が発見され,また中枢気道においても喀痰細胞診により粘膜内癌を含む深達度の特に浅い早期肺癌が検出されるようになってきている.しかしながら確定診断のための生検の対象となる病変が小型になるにつれて,肺末梢孤立性陰影に対する生検および喀痰細胞診で要精検(判定区分D/E1))とされた場合の病変の同定などはますます困難となりつつあるのが現状である.筆者らは精検の精度を高めるため種々の工夫をしており,本稿では肺癌を中心とする小型病変の占拠部位を中枢気道と肺野末梢に大別して筆者らが行っている精検の有効性について述べる.
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