今月の主題 心電図
話題
QT間隔の異常
犀川 哲典
1
Tetsunori SAIKAWA
1
1大分医科大学臨床検査医学
キーワード:
QT間隔
,
QT間隔のばらつき
,
心電図
,
不整脈
Keyword:
QT間隔
,
QT間隔のばらつき
,
心電図
,
不整脈
pp.1511-1516
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904255
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1.はじめに
QT間隔は大変古い心電図指標である.現在のような心電図は1903年に記録されたのが最初であり,QT間隔という名称は心電図の父といわれるEinthovenにより名付けられたが,その概念自体は既に1880年には,存在し,計測され報告されている1).QT間隔は以来100年以上にわたって研究されてきた.当初は主に心臓の収縮と関連した研究がなされ,QT間隔が心拍数に依存することが知られてきた.1920年Bazettは心電図のQT間隔が心拍数に依存して変化することからその補正法を発表した1).以後その方式がその後現在まで使用されている.
QT間隔は3つのセグメントからなる.すなわち,図1に示すようにQRS部分,ST部分,そしてT波の幅である.一般にQRS部分は心室筋細胞の脱分極を,ST部分は心室筋細胞の活動電位プラトー相を,T波は再分極相を表すといわれている.しかしQT間隔を話題にするときにはQRS間隔は有意に変化していないという前提でQT間隔の評価を行うのが常である.
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