今月の主題 検査項目の再評価
話題
血沈
大曽根 康夫
1
Yasuo OHSONE
1
1川崎市立川崎病院内科
キーワード:
炎症
,
赤沈
,
CRP
Keyword:
炎症
,
赤沈
,
CRP
pp.1655-1656
発行日 1998年12月15日
Published Date 1998/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903956
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1.はじめに
血沈は血球沈降速度(blood sedimentationrate)の略で赤血球沈降速度(赤沈:erythrocytesedimentation rate)と同義語である.最も簡便かつ重要な検査の1つであるにもかかわらず,その原理は今日なお十分には明らかになっていない.しかし,血沈値の変動には赤血球の凝集を促進する因子の存在が重要であることがわかっており,凝集が早く,大きいほど血沈は亢進する.また,赤血球は陰性荷電しているので,陽性荷電のグロブリン,フィブリノゲンが増加すると血球の凝集は促進され,血沈は亢進するが,陰性荷電のアルブミンが増加すると血沈は遅延する.また赤血球の状態も関係し,貧血では血沈は亢進し,赤血球増多症では遅延する1~3).
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