Japanese
English
今月の主題 β2-ミクログロブリン-その多様な病因,病態と検査アプローチ
話題
非特異炎症マーカー,腫瘍マーカーとしてのβ2-ミクログロブリン
β2-microglobulin as non-specific inflammatory and tumor marker
山田 俊幸
1
Toshiyuki YAMADA
1
1自治医科大学臨床検査部・臨床検査医学
キーワード:
炎症
,
CRP
,
透析
,
高齢者
Keyword:
炎症
,
CRP
,
透析
,
高齢者
pp.79-82
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102520
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1 . はじめに
β2-ミクログロブリン(β2-m)の血中濃度が上昇する疾患・病態を列挙して整理すると,腎機能障害,炎症性疾患,腫瘍性疾患ということになろう.ここでは炎症に焦点を当ててみる.ただし腎機能が正常であれば速やかに尿中へ排泄されるので,炎症の程度が軽度である場合は血中濃度の変化が見えがたいことは理解しておくべきである.
一方,腎機能低下状態ではβ2-mのクリアランスが低下しているので,より見えやすいと言える.よって,本稿の前半は恒常的な腎機能低下状態である透析患者におけるデータからβ2-mの特徴を論ずることとし,後半では高齢者の予後マーカーとしての側面を紹介する.
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