2頁の知識
血沈
高橋 忠雄
1
1東大
pp.18-19
発行日 1951年9月15日
Published Date 1951/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906923
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血沈,あるいは赤沈と云うのは,赤血球沈降速度(又は沈降反應ということもある)と云う言葉の略で,ドイツ語ではSenkungsgesch-windigkeit der roten Blutkorperchen,英語ではSedimentation of red blood cellsと云う。
動物や人間の血液を凝固しないように—例えば蓚酸カリやクエン酸ソーグを加えて—試驗管にとつて垂直に立てたまゝ放置すると,赤血球が次第に沈んで,上層の澄明な血漿の層とはつきり分れることは,むろん昔から誰しもが認めていた事であつたが,いろいろな疾患によつて沈降の速さの違うこと,從つてこれを臨床診斷に應用出來ることなどについて,初めて系統的な観察を行い,今日廣く行われているような方法を考案したのはFahreus及びWestergrenの業績である。
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