特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅴ.神経病理
3.中枢神経
2)ガリアス・ブラーク法とメセナミン銀法
羽賀 千恵
1
,
池田 研二
2
Chie HAGA
1
,
Kenji IKEDA
2
1東京都精神医学総合研究所神経病理研究部門
2東京都精神医学総合研究所
pp.1545-1548
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903546
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はじめに
鍍銀法は神経病理検索には欠かせない染色法である.特に,神経変性疾患において産生される異常蛋白を鍍銀法で検出することは診断上重要であるばかりでなく,研究の手段としても有用である.Bodian染色などの従来からの鍍銀法で仕上げられた切片には,芸術的と言えるほどの美しさがあり,また,そこからは多くの情報が引き出されるが,近年になって,より特異性を追求した新しい鍍銀法が開発され,好んで使われるようになっている.ここに紹介するガリアス・ブラーク法(Gallyas-Braak method;G-B法)やメセナミン銀法(methenamine-silver method;M-S法)は,そのような目的に沿って開発された染色法であり,病理学上の新しい知見をもたらしている.これらの染色法は汎用され,一般化してきたが,まだ施設間で染色技術にばらつきがあるので,本稿ではちょっとしたコツを含めて染色法を詳しく記載する.また,これらの染色法が何を検出しているのかということについても理解しておく必要がある.
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