今月の主題 基準値
診断基準
窒素血症の診断基準
鈴木 亨
1
,
下条 文武
1
Satoru SUZUKI
1
,
Humitake GEJYO
1
1福井医科大学臨床検査医学講座
キーワード:
azotemia
Keyword:
azotemia
pp.1444
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903195
- 有料閲覧
- 文献概要
1.はじめに
血清中の蛋白以外の窒素化合物は以前から非蛋白窒素(non-protein nitrogen:NPN)として,尿素,尿酸,クレアチニンなどの成分を総称していた.正常者では,血中尿素窒素(blood ureanitrogen;BUN)がNPNの42~48%を占めている.BUNは腎糸球体から濾過され,一部尿細管で再吸収を受け,残りが尿中に排泄される.正常ではNPNの約50%を占めるBUNは,尿毒症では80~90%にも達する.BUNは,NPNとほぼ同様の臨床的意義を有するが,測定法が簡易であり,NPNより病態における変量が大きいため,現在ではBUNが窒素血症の指標として頻用されている.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.