特集 数値からみる周産期医療 産科編
不育症に関与する因子:凝固系など
永松 健
1
NAGAMATSU Takeshi
1
1国際医療福祉大学成田病院産科婦人科
pp.1174-1176
発行日 2023年8月10日
Published Date 2023/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001039
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はじめに
妊娠期にはエストロゲンやプロゲステロンをはじめとする性ホルモンの働きにより凝固システムが活性化することが知られている。これは,出産時に胎盤剝離面の出血が速やかに止血に至るための内的環境の準備として捉えられてきた。凝固・抗凝固に関わる諸因子は子宮胎盤局所における炎症制御とも密接な関係をもち,絨毛細胞の機能にも影響を与える。こうした凝固に関わる分子機構の破綻は妊娠異常を引き起こす要因となる。本稿では,凝固システム関連因子と不育症の病態について解説を進める。
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