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塩素と血圧
奥田 拓道
1
1愛媛大学医学部医化学第二
キーワード:
塩素
,
血圧
,
アンジオテンシン転換酵素
,
ACE
Keyword:
塩素
,
血圧
,
アンジオテンシン転換酵素
,
ACE
pp.964-965
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903004
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食塩を取り過ぎると,血圧が上昇することはよく知られている.ほかに何も異常がないが血圧だけが高いという本態性高血圧の患者に食塩制限をすると,その6割に血圧低下がみられる.
食事中の食塩は,ナトリウムイオン(Na+)と塩素イオン(Cl-)として腸管から別々に吸収され,その後も生体内で,それぞれ異なる調節を受けている.例えば血清中のNa+は,食前・食後とも,140mmol/l前後で変動しないが,Cl-は,食後上昇し,数時間後に食前の価に戻る.したがって,食塩によって血圧が上昇するといっても,その原因がNa+なのか,Cl-なのかが問題になるわけである.
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