特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド
各論
1 生体に必要な元素
3)塩素(Cl)
関口 光夫
1
Mitsuo SEKIGUCHI
1
1日本大学板橋病院臨床検査部
キーワード:
塩素
,
Cl
,
クロール
,
イオン選択電極法
,
電量滴定法
Keyword:
塩素
,
Cl
,
クロール
,
イオン選択電極法
,
電量滴定法
pp.1401-1405
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900336
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測定の意義
1.生体内の分布,存在様式1)
ヒト生体内の塩素(クロール,Cl)総量は,体重1kg当たり30~40mmolを含有している.平均33mmol/kg体重とすると,体重60kgの成人では約2,000mmolが含まれる.その分布としては血漿中に13.6%,組織間液に37.3%,結合組織内に17.0%,骨に15.2%,体腔液に4.5%,細胞内に12.4%存在している.すなわち,その約90%は細胞外液中に存在する.図1は,細胞外液の代表である血漿と,細胞内液中に含まれる電解質組成とそれらが含有する割合を示したものである2).血漿中の主要な陽イオンはナトリウム(Na)イオン(Na+)であり,陰イオンはClイオン(Cl-)で,次いで重炭酸イオン(HCO3-)である.
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