特集 遺伝と臨床検査
III 染色体異常の診断
2.末梢血の各種染色体分染法
6)SCE
中川原 寛一
1
,
伊藤 正行
2
,
酒井 京子
2
Kan-ichi NAKAGAWARA
1
,
Masayuki ITOH
2
,
Kyoko SAKAI
2
1クラスター・コア生体情報研究所遺伝子研究部
2クラスター・コア生体情報研究所遺伝子研究部染色体研究室
pp.154-159
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901298
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●はじめに
M期における1個の染色体は,それぞれ相同な染色分体(chromatid)から成り,動原体で結合している.染色分体は1個の染色体が縦列したもので,姉妹の関係にあることから姉妹染色分体と呼ばれている.この姉妹染色分体には,DNA複製期に部分的にある位置で切断し,その部分と相応する分体が互いに入れ換わって部分的な交換を生じる現象がある.これが姉妹染色分体交換(sister chromatid exchange;SCE)である.
この稿では,自然に発生するSCE(自然SCE)に及ぼす諸因子と染色法について,筆者らの知見を交えて解説する.
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