特集 遺伝と臨床検査
III 染色体異常の診断
2.末梢血の各種染色体分染法
4)C分染法
中川原 寛一
1
,
森 光子
2
,
皆川 淳子
3
,
酒井 京子
3
Kan-ichi NAKAGAWARA
1
,
Mitsuko MORI
2
,
Junko MINAKAWA
3
,
Kyoko SAKAI
3
1クラスター・コア生体情報研究所遺伝子研究部
2クラスター・コア生体情報研究所遺伝子研究部分子細胞遺伝研究室
3クラスター・コア生体情報研究所遺伝子研究部染色体研究室
pp.143-149
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901296
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●はじめに
Cバンド染色部位は構成性のヘテロクロマチンであり,サテライトDNAなどの高度反復配列DNAが分布している.反復配列DNAは,数bpから数百bpのさまざまな長さのDNAがそのまま何回も繰り返したもので,真核生物特有の分画である.この高度反復配列DNA分画の中にサテライトDNAが含まれている1~3).
C分染法は,動原体の位置や逆位を確かめるのに必要な分染法である.また,特に1・9・16番染色体,Y染色体のCバンドは顕著であり,かつ異形性を示すのでマーカーとしても有用である.ここでは,熱処理した後ギムザ染色するC分染の代表的なBSG(Bariumhydroxide/Saline/Giemsa)法,蛍光色素で染色する蛍光法,およびDNAプローブを用いたin situハイブリダイゼーション法によるC分染法の技術を中心に解説する.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.