特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
3.自己免疫疾患と検査
9)Goodpasture症候群
猪熊 茂子
1
Shigeko INOKUMA
1
1東京都立駒込病院アレルギー膠原病科
pp.288-290
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900883
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■原典と歴史
1919年,Ernest Goodpastureは,その前年米国におけるインフルエンザ流行時に死亡した患者の中に,肺出血と糸球体腎炎を起こした例のあることを報告した1).この症例は18歳の男性で,"typical attack ofinfluenza"の後に血痰,腎不全を生じて死亡した.頑固な咳と体重減少を生じ発症1か月で受診,胸痛,血痰,貧血,右下肺野の気管支肺炎像を認めた."肺炎"は左肺に及び,呼吸困難,多量の血痰,微量の尿アルブミンを呈し,3日後に死亡した.剖検肺は血液で充満し,腎には糸球体腎症がみられ,Bowman嚢にフィブリン析出,係蹄に細胞増殖を認め,尿細管の一部は赤血球で満たされていた.このほか脾には壊死巣がみられ,小腸壁にも出血があった.
1958年,StantonとTargeが同様の報告や自験例をまとめて「Goodpasture症候群」とした.
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