臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
II.呼吸器疾患
Goodpasture症候群 VS Wegener肉芽腫症
荻間 勇
1
,
山本 保
2
,
三間 孝雄
2
Isamu OGIMA
1
,
Tamotsu YAMAMOTO
2
,
Takao MIMA
2
1新潟市民病院
2新潟市民病院内科
pp.1876-1877
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216794
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なぜ鑑別が問題となるか
Goodpasture症候群(G症)を,①肺出血,②腎炎,③anti-glomerular basement membraneantibody(anti-GBM抗体)の三者が認められたものとする定義が定着しつつある.Wegener肉芽腫症(Wg症)は古くから,①呼吸気道の壊死性肉芽腫性病変,②巣状糸球体炎,③小〜細動静脈炎の3つの病理学的特徴を有するものとされている。
典型的な症状,所見を示す場合,G症とWg症との鑑別は容易である.しかし,Wg症でびまん性陰影,喀血・血痰,急性進行性腎炎などが初発症状としてみられることがあり,この際にはG症との鑑別がむずかしい.O'Donohueはびまん性肺出血の2年後にWgと診断された例を,Schachterらは,はじめに臨床的にG症と考えられたが,4年後にWg症と確診された例を報告している.さらに,最近Hensleyらはびまん性肺出血,急性進行性腎不全で発症し,G症が疑われ両腎摘出をうけて軽快したが,1年後に両肺に多発性空洞性結節影があらわれ,肺生検でWg症と診断された例を報告している.
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