学会印象記 第41回電気泳動学会春季大会
核酸レベルの分子生物学的方法の台頭
島尾 和男
1
Kazuo SHIMAO
1
1腫瘤研究所
pp.810
発行日 1991年8月15日
Published Date 1991/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900667
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電気泳動学会は1950年にTiseliusの電気泳動装置の普及が契機となって設立された電気泳動研究会から発展した学会である.1950年頃は電気泳動法といえばTiselius法で,会員はTiseliusの装置(主として日立のHT-AまたはHT-B形)を用いていた研究者約300人に過ぎず,その後の実験法の目覚ましい進歩とともに,方法の名を付けた学会が1,200人余りの会員を擁する学会として40年以上も続くとは誰も予想しなかった.ちなみに欧米のelectrophoresisの名を付けた学会は長くても十年程度の歴史を持つに過ぎない.
創立の由来,電気泳動法の応用分野を反映して,学部で言えば医,歯,薬,理,農など広い範囲の会員がいるが,何らかの形で広義の医学にかかわっている者が多い.臨床検査関係の施設に所属する会員は約300名である.また,電気泳動関係の機器の開発や,バィオサイエンスの分野への諸会社の参入を反映して,その方面の会員も最近増加している.
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