特集 疾患・治療概念の最近の変化
【診断・検査】
ノロウイルスの台頭
岡部 信彦
1
1国立感染症研究所感染症情報センター
キーワード:
ノロウイルス感染
,
感染性胃腸炎
,
食中毒
,
SRSV
Keyword:
ノロウイルス感染
,
感染性胃腸炎
,
食中毒
,
SRSV
pp.660-662
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101189
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病原体
ノロウイルス(Norovirus)は,電子顕微鏡で観察される形態学的分類でSRSV(小型球形ウイルス),あるいはノーウォーク様ウイルス“Norwalk-like viruses”という属名で呼ばれてきたウイルスで,2002年ノロウイルスという名称に統一された(J1).プロトタイプは1968年に米国オハイオ州ノーウォークの小学校で発生した集団胃腸炎から検出され,その後免疫電子顕微鏡下でその形態が明らかになったノーウォークウイルス/68(NV/68)である.以来,形態学的にNV/68と区別できないが抗原的に異なる株は,発見された地名を冠して,スノーマウンテンウイルス,メキシコウイルス,音更因子,チバウイルスなどと命名されてきた.
現在ノロウイルスはGenogroup I(GI)とGenogroup II(GII)の2つの遺伝子群に分類され,さらにそれぞれは14と17あるいはそれ以上の遺伝子型(genotype)に分類される.
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