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肝障害時の栄養治療の指標
中 恵一
1
1大阪市立大学臨床検査医学
キーワード:
血中ケトン体比
,
Fischer比
,
分枝鎖アミノ酸
,
栄養管理
Keyword:
血中ケトン体比
,
Fischer比
,
分枝鎖アミノ酸
,
栄養管理
pp.841
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900209
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- 文献概要
肝臓はエネルギー代謝の中心的な役割を担う臓器であり,末梢のエネルギー需要に応じてエネルギー基質を産生・供給あるいは加工・貯蔵している.肝障害時には,こうした機能が乱れ,利用しうるエネルギー基質も質的変化を生じる.グルコースは,グリコーゲン貯蔵量が低下し糖新生能が低下するため血液への供給がうまくいかず,脂肪酸の酸化によって需要に答えようとし,ケトン体をエネルギー基質として供給する.この脂肪酸およびケトン体はミトコンドリアにおけるATP産生時にグルコースに優先して利用され,グルコースを節約する方向に進む.また,全身の骨格筋で蛋白異化が亢進し,そのアミノ酸がエネルギー基質として利用され炭素骨格よりグルコース骨格が提供される.
血液成分分析より肝障害時にこれらエネルギー基質が特異なパターンを示すことが指摘されているが,その一つに"アミノ酸インバランス"という状態がある.
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