増大号 AKI・CKDの診断・治療に臨床検査を活かせ
4章 腎疾患を知る—臨床検査ができること
臨床検査で迫る腎疾患
腎アミロイドーシスとMタンパク尿関連腎障害・MGRS
黒田 毅
1
1新潟大学保健管理センター
キーワード:
AAアミロイドーシス
,
血清アミロイドAタンパク
,
SAA
,
ALアミロイドーシス
,
フリーライトチェーン
,
FLC
,
MGRS
Keyword:
AAアミロイドーシス
,
血清アミロイドAタンパク
,
SAA
,
ALアミロイドーシス
,
フリーライトチェーン
,
FLC
,
MGRS
pp.534-537
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203601
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
アミロイドーシスは,アミロイド線維を主体とするアミロイド物質が全身諸臓器に沈着し,種々の機能障害を惹起する一連の疾患群である.複数の臓器にアミロイドが沈着する全身性アミロイドーシスと,ある臓器に限局してアミロイドが沈着する限局性アミロイドーシスに分けられる.全身性アミロイドーシスのなかで高度の腎機能障害に進展し予後に重大な影響を及ぼす主要なものはALアミロイドーシスとAAアミロイドーシスである.ALアミロイドーシスは異常形質細胞から産生される単クローン性の免疫グロブリンの軽鎖(κおよびλ)がアミロイド線維を形成する.AAアミロイドーシスは各種の基礎疾患による炎症反応に伴う血清アミロイドA(serum amyloid A:SAA)タンパクが高濃度で長期間存在することによりアミロイド線維が形成される.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.