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冬の寒い時期ですが,いかがお過ごしでしょうか.一時期と比べて遠くに出掛ける機会も増えてきましたが,以前と比較して海外が少し遠くなった感覚はいまだに続いています.海外リゾートを紹介する番組も増えていますが,テレビから流れてくる物価高のニュースを見て目を丸くすることも多く,一昔前と状況が変わっていることを感じます.
さて海外といえば,本稿の執筆時はサッカーW杯が始まったばかりです.身長の半分ぐらいあるサッカーボールと一緒に写った幼い頃の写真が残っていますが,物心ついた頃からボールが一番の遊び道具でした.中学生ぐらいまでは主にセンターフォワードでしたが,めったに見ることのできない海外スター選手の映像を繰り返し見ていたのは懐かしい思い出です.1980年代,まだJリーグが始まる前でほとんどテレビ放送もなかった頃,初めて見た1986年メキシコW杯のマラドーナの圧倒的な技術にくぎ付けになり,このときに得点王となったイングランドのゲーリー・リネカーが名古屋グランパスエイトにきたときは本当に驚きました.1990年イタリアW杯は,当時最高のトリオといわれたファン・バステン,フランク・ライカールト,ルート・フリット要するオランダ代表が,皇帝ベッケンバウアー率いる優勝した旧西ドイツに敗れた試合はよく覚えています.また,同大会得点王であったイタリアのサルバトーレ・スキラッチ,1994年大会得点王のブルガリアのフリスト・ストイチコフまでも後年Jリーグにきたときは,何かの間違いかと思いました.Jリーグは1993年に満を持して始まったわけですが,国内でプロサッカーが見られるだけでなく,数多くの世界的名手を目の前で見ることができる興奮に包まれていたことを思い出します.そして,夢のまた夢であったW杯出場が現実のものとなり,2002年日韓W杯で勝ち取った日本のW杯初勝利をスタジアムで目にしたとき,表現できない強い感動を覚えたことは今でも鮮明に思い出されます.
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