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あとがき
関谷 紀貴
pp.990
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201713
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4月下旬,穏やかな春の陽気に包まれたラテンの国,スペインの首都マドリードに行く機会がありました.この数年は継続して参加しているECCMID(欧州臨床微生物感染症学会)という学会参加が目的でしたが,毎年開催地が異なるため,訪問先の空気や文化を感じることが楽しみの1つになっています.今回は空き時間を利用して,ピカソのゲルニカを展示している美術館,気軽に食事を楽しめる市場,文豪ヘミングウェイも訪れた老舗カフェ,レアル・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウなどを訪れましたが,どこも活気に溢れていたことが印象的でした.
スペインといえば,国際女性デーに指定されている2018年3月8日,男女格差と性差別に反対する異例の全日ストライキが行われたというニュースが驚きをもって報じられました.およそ530万人もの女性が参加し,“女性が止まれば世界は止まる”というスローガンのもと,全国でさまざまなイベントが開催されたようです.その後,6月にスペイン社会労働党のペドロ・サンチェス氏が新首相に就任しましたが,全閣僚17人中11人が女性という,同国史上で最も女性閣僚の割合が高い政権が生まれました.同首相は,先の運動を忠実に反映した内閣であると述べていますが,社会において女性が置かれている状況を正確に理解して改善活動を進めるためには,女性の政治指導者が増えていくことは基本的に望ましいことであると感じます.
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