増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか
4章 凝固
エミシズマブによるAPTTへの影響
山口 知子
1
,
長尾 梓
2
1東京医科大学病院臨床検査医学科
2医療法人財団荻窪病院血液凝固科
キーワード:
エミシズマブ
,
活性型部分トロンボプラスチン時間
,
aPTT
,
抗エミシズマブ抗体
,
凝固能評価
Keyword:
エミシズマブ
,
活性型部分トロンボプラスチン時間
,
aPTT
,
抗エミシズマブ抗体
,
凝固能評価
pp.1224-1227
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203141
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エミシズマブとは
血友病Aは血液凝固第Ⅷ因子(factor Ⅷ:FⅧ)の量的・質的異常に伴う出血性疾患である.治療として血液凝固第Ⅷ因子製剤の投与を行うが,静脈内投与が必要であること,重症患者では週に2〜3回の頻回な定期投与が必要であること,抗FⅧ抗体(インヒビター)による薬効の消失があるなどの問題点があった.
エミシズマブは,活性型第Ⅸ因子(FⅨa)と第Ⅹ因子(FⅩ)とに結合する二重特異性抗体であり,活性型FⅧと同様に凝固作用を示す(図1)1).皮下注射が可能で,半減期が長いため,投与間隔を1〜4週に延長できることや,インヒビターの有無にかかわらず有効であることなどの利点がある.先述した血液凝固因子製剤の問題点を克服し,発売以降,世界的に広く使われ始めている.
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