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今月の特集1 骨髄不全症の病態と検査
—再生不良性貧血—再生不良性貧血におけるクローン性造血
Clonal hematopoiesis in aplastic anemia
牧島 秀樹
1
1京都大学大学院医学研究科腫瘍生物学講座
キーワード:
再生不良性貧血
,
AA
,
クローン性造血
,
発作性夜間ヘモグロビン尿症
,
PNH
,
骨髄異形成症候群
,
MDS
,
UPD6p
Keyword:
再生不良性貧血
,
AA
,
クローン性造血
,
発作性夜間ヘモグロビン尿症
,
PNH
,
骨髄異形成症候群
,
MDS
,
UPD6p
pp.740-747
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202405
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Point
●再生不良性貧血(AA)は自己免疫反応に起因する骨髄不全症候群であり,腫瘍性病変ではない.しかしながら,本症の低形成骨髄はクローナルな細胞集団によって構成されている.
●AAに伴うクローン性造血は,古典的なX染色体のskewingの発見にはじまり,発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)様血球の検出,さらにはコピー数解析によるUPD6pの発見および次世代シーケンスによる遺伝子変異の検出により証明された.
●AAは骨髄異形成症候群(MDS)など腫瘍性疾患へしばしば移行するが,両者のゲノム異常は明らかに異なる.血液疾患のない高齢者に認められるクローン造血とは一部共通性はあるものの,やはり異なったゲノム異常を呈する.
●AAの原因である自己免疫反応に曝露された骨髄細胞が,そこからエスケープすることによってクローン性造血が生じる.
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