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特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010
3. 新しい検査法と診断法
融合遺伝子の発現と隆起性皮膚線維肉腫の診断
Detection of fusion gene transcripts in dermatofibrosarcoma protuberans
中西 元
1
Gen NAKANISHI
1
1滋賀医科大学皮膚科
1Department of Dermatology,Shiga University of Medical Science Otsu,Japan
キーワード:
染色体転座
,
隆起性皮膚線維肉腫
,
融合遺伝子
Keyword:
染色体転座
,
隆起性皮膚線維肉腫
,
融合遺伝子
pp.82-85
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102579
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要約 近年,遺伝子解析技術の進歩に伴い,軟部腫瘍に染色体転座が報告され,これらの転座による腫瘍特異的な融合遺伝子の存在が明らかにされてきた.現在,臨床的に,それらの腫瘍特異的な融合遺伝子の発現解析が分子病理診断法として利用されている.今後は,腫瘍特異的な融合遺伝子産物によって生じた増殖シグナルを阻害して治療する,いわゆる分子標的治療薬を用いた軟部腫瘍の治療も考えられている.隆起性皮膚線維肉腫および隆起性皮膚線維肉腫の若年型と考えられている巨細胞線維芽細胞腫において,17番染色体上のI型コラーゲンと22番染色体上の血小板由来増殖因子との融合によるCOL1A1-PDGFB遺伝子の発現が報告されている.ここではその検査の概要や具体的な手順を説明し,その方法の有用な点や問題点について概説する.
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