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本号が書店に並ぶのは晩春から初夏のころでしょうか.この「あとがき」は冬が終わり,春に向かおうとする時期に書いていますが,今年の冬を代表する大きな話題の1つに,2月に韓国の平昌(ピョンチャン)で開催された冬季オリンピックがあります.日本勢は羽生結弦選手のオリンピック2連覇(フィギュアスケート)や,小平奈緒選手,高木姉妹を中心とする女子スピードスケート陣の活躍で,過去最多の13個のメダルを獲得しました.内訳は金メダルが4個,銀メダルが5個,銅メダルが4個です.私が冬季オリンピックを見始めたころは,日本にとってメダルを獲得することはなかなか手の届かない目標であり,メダル0個は当たり前でした.これを考えると隔世の感があります.
日本は第2回大会から冬季オリンピックに参加していますが,私が初めてテレビ中継を見た第10回のグルノーブル大会までは,メダル獲得は猪谷千春選手(男性です)のスキー回転での銀メダル(第7回,コルチナ・ダンペッツォ大会,1956年)ただ1個でした.続く第11回札幌大会で,スキージャンプ陣が70m級(現在のノーマルヒル)で金,銀,銅メダルを独占したことは強烈な記憶であり,いまでも鮮明に覚えています.メダルを獲得した笠谷,今野,青地の3選手は“日の丸飛行隊”と呼ばれていました.ここで流れが変わり,次の第12回インスブルック大会では,またメダルは0個でしたが,第13回のレークプラシッド大会以降は毎回1個以上のメダルを獲得するようになりました.最近では複数個のメダルが当たり前になっていますが,第20回のトリノ大会では危うくメダルが途切れるところでした.しかし荒川静香選手が女子フィギュアスケートで金メダルを獲得し,救世主となります.日本の冬季スポーツは確実に強くなっているようです.
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