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あとがき
佐藤 尚武
pp.124
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200690
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この“あとがき”は秋に書いていますが,2015年は夏の終わりから秋にかけて,いくつもの大きな台風と大雨に見舞われました.大雨では,関東地方でも多くの河川が氾濫し,さまざまな場所で被害が出ました.幸いなことに,私の居住する地区や勤務先のある場所は大きな被害を受けずに済みましたが,本誌の編集委員のなかにも被害を受けた先生がいらっしゃるようです.東日本大震災における津波のときにも痛感しましたが,水害の恐ろしさをあらためて認識させられました.被災された方々には心よりお見舞い申し上げるとともに,1日でも早く元の状態に戻ることを祈念するものです.もちろん,単に元の状態に戻るのではなく,防災体制がこれまで以上に整備される必要があることは,言うまでもありません.
さて,本号の第1特集は「社会に貢献する臨床検査」です.新しい年,2016年の幕開けを飾るのにふさわしい特集だと思います.本誌の名称でもある“臨床検査”は,一般の人々や社会に貢献できてこそ,その存在価値が認められます.臨床検査分野のリーダーの方々に,さまざまな観点から“臨床検査”の社会貢献に関して解説をしていただきました.ちょうど東日本大震災について前段で少し触れさせていただきましたが,臨床検査の一分野であるPOCT(point of care test)の災害医療における貢献が語られています.POCTは地域医療や在宅医療の分野でも大きな貢献ができる可能性が示されています.臨床検査に携わる人間は,その社会貢献を常に頭の片隅に置いておく必要があると考えます.年の初めに本特集をじっくりお読みいただきたいと願う次第です.
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