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あとがき
佐藤 尚武
pp.1554
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200107
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ここ数年は,9月に入っても暑さが続き,夏休みの期間が終了しても夏が継続して,短い秋を経由し急速に冬に至るという気候でした.しかし今年は8月末から気温が下がり,9月に入ると秋らしい気候となっています.私が前回担当した編集後記で,「今年は寒さの続いた春として記憶に残りそうな印象を受けます」と記しましたが,夏の暑さが長引くことはなかったようです.
今月号は第1特集として「甲状腺疾患診断NOW」を取り上げました.甲状腺疾患は,内分泌疾患としては主要な疾患ですが,それでも多くの読者にとって,なじみの疾患とはいえないのではないでしょうか.少なくとも私自身はそのように感じております.しかし本特集によれば,「甲状腺疾患は,軽度の異常は自覚されないことが多く,また,診察上も明らかな所見を呈することは少ない.しかしながら,一般診療において,甲状腺疾患は決して珍しいものではなく,見落とさない努力が必要である」とのことです.甲状腺ホルモンは数多くの検査に影響を与えるので,見落とさないためには,甲状腺疾患における検査値の変動を理解しておく必要があります.そう考えると,臨床検査に携わる人間は,甲状腺疾患についてもっと知る必要があると感じられます.さらに臨床検査において,甲状腺疾患の検査は,近年確実な進歩が認められる分野の1つであり,知識をupdateしておくことも大切です.ホルモン関連の検査というと,私などはやや特殊な検査というイメージがありますが,現在では外来対応が可能な迅速検査の1つになっているとのことで,認識を新たに致しました.
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