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今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査
大腸がんの分子標的薬と分子病理検査の役割
Role of a molecular target medicine for colon cancer and the molecular pathological examination
郡司 昌治
1
1名古屋第一赤十字病院細胞診・分子病理診断部
キーワード:
大腸がん
,
RAS
,
ホルマリン固定
,
パラフィン切片
,
DNA抽出
Keyword:
大腸がん
,
RAS
,
ホルマリン固定
,
パラフィン切片
,
DNA抽出
pp.1564-1570
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201053
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Point
●長時間のホルマリン固定ではDNAの断片化が進む.中性緩衝液ホルマリンを用いると,核酸の品質を損なうと考えられているホルマリン分解産物の産生が抑えられる.
●DNA抽出は酵素処理で組織を完全に溶解する.酵素処理はホルマリンクロスリンクされた核酸-蛋白質から蛋白質の分解を行い,核酸の可溶化に作用する.熱処理にはメチレン架橋の解離の作用がある.
●組織切片は,連続切片を作製することによって腫瘍分布や腫瘍細胞比率が把握できる.しかし,細胞診スメアは染色して腫瘍細胞の有無や腫瘍細胞比率を確認したうえでDNAを抽出する必要がある.
●染色標本の遺伝子解析は可能であり,腫瘍分布や腫瘍細胞比率が把握できるため,非常に有用な手法である.
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