異常値をひもとく・10
酸性条件下で不溶化するIgG4-λ型M蛋白が引き起こした検査値への影響
青木 義政
1
1九州大学病院検査部
pp.1153-1158
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103567
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はじめに
生化学的検査とりわけ比色分析では,マイナス値を呈したり,関連項目間での乖離や逆転を認めたりするなど,しばしば患者の病態を反映しない矛盾する測定値に遭遇することがある.特に血中にM蛋白が存在すると,その引き金に成りうることが知られており,M蛋白が測定試薬成分と反応し,不溶性の凝集,沈澱物を形成することで反応系に影響を与え,異常値の原因となる.
本稿では,M蛋白が酸性条件下で不溶化し,各種検査項目に影響を及ぼした症例1~3)の解析事例を紹介する.
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