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7月も20日を過ぎ,子どもたちの夏休みも始まりました.今年は梅雨が明けるのがとても早かったのですが,梅雨明けと同時に連日の猛暑で,熱中症の話題が毎日のようにニュースで流れております.以前は,熱中症のことがこれほど話題になることはなかったように思いますが,これも日中の気温が35℃を超え,場所によっては40℃近いような猛烈な暑さのせいなのでしょうか? それとも空調に慣れてしまった私たちの体温調節機構が,鈍ってしまったせいなのでしょうか? まだ若かった高校生の頃,野球部の夏合宿で,40℃以上の炎天下のグラウンドで,十分な水分・塩分補給もせずに1日中走り回っていましたが,熱中症で倒れた仲間は一人もいなかったと記憶しております.いずれにいたしましても,熱中症を防ぐためには,涼しくして,水分と塩分を十分に補給することが肝要です.幸い,原発が稼働せず電力供給に問題があるといいながらも,今年は節電を強要されることはないようですので…….
さてアツイ話はこのくらいにして,今月号の「臨床検査」について触れることにいたします.2013年1月号から誌面をリニューアルし,毎号二つのテーマについて話題を提供することになった本誌ですが,9月号では,第1のテーマに“肺癌の診断”を,第2のテーマに“日常検査から見える病態シリーズ”として生化学検査を取り上げました.肺癌は日本人が罹患する癌のなかでは最も死亡者数が多く,現在も横ばい傾向にあります.新しい抗癌剤が開発され,画像診断,病理診断,腫瘍マーカー診断などの実践的な診断法が,治療法の選択に直結するため,臨床検査の果たす役割は極めて重要になっています.第2のテーマ“日常検査から見える病態”は,日ごろ行っている臨床検査の結果が,臨床の現場でさまざまな疾患の病態の変化を捉えるのに,いかに役立っているかについて考えることを意図した企画です.どちらのテーマも,最近の考え方について,ご専門の先生方からわかりやすく解説していただきましたので,ベテランの方にも若手の方にも興味を持っていただける内容だと思います.
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