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あとがき
岩田 敏
pp.1672
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103761
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今年2013年は台風の当たり年のようです.このあとがきを書いている最中にも,はるか南の温暖化した海上には,大型で強い勢力の台風27号があり,その後方にはさらに猛烈な勢力をもった台風28号が控えているという状況です.明日から札幌に学会で出張する身としては,台風の今後の動きがとても気になるところであります.2つの台風が近い距離で隣り合った場合,どこかのロボットのように合体してより強力になるのかという気もいたしますが,どうもそうではなさそうです.台風が隣り合った場合,お互いに干渉し,予測のつかない複雑な進路をとるというのが,実際のところのようです.この気象予報士泣かせの現象のことを「藤原の効果(Fujiwara effect)」というそうです.1921年に,当時の中央気象台所長だった藤原咲平が,このような相互作用の存在を提唱したため,この名があるとのことです.ちなみにこの「藤原の効果」,どのような現象なのか調べてみると,中間点を中心に2つの台風が反時計回りに互いを追いかけるように回転したり,片方の台風がまず移動し,その後ろをもう片方の台風が追いかけていったり,2つの台風が並行して移動したり,小さいほうの台風が大きな台風に吸収されたり等々,実にいろいろなパターンがあることがわかります.2013年の台風27号と28号が,これからどのような動きをするかにより,小生の札幌行きの運命が決まりそうなので,何とか運のよいほうに効果が出るよう,気象の神様にお祈りしようと思います.
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