今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 非腫瘍・10
肝硬変のマクロ・ミクロ像
小松 明男
1
,
坂本 穆彦
2
Akio KOMATSU
1
,
Atsuhiko SAKAMOTO
2
1東京都保健医療公社多摩南部地域病院検査科
2大森赤十字病院検査部
pp.944-945
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102767
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肝硬変は,非腫瘍性慢性肝疾患の最も進行した不可逆性の病変である.すなわち,正常な小葉構造の消失,異常な小葉改築,および著明な線維化が肝臓全域に認められる疾患である.原因は,日本では慢性ウイルス性肝炎,欧米ではアルコールが最も多い.原因により肉眼像,組織像に若干の差異はあるが,ここではあえて共通する事項を注視する.
最初に肉眼像であるが,特徴的な所見は肝臓の委縮とびまん性小結節性変化である(図a).肝臓の委縮は初期段階ではみられないことがあるが,進行した状態では著明である.びまん性小結節性変化は,肝実質の小葉改築と線維化による凹凸であり,割面のみならず,表面にもびまん性にみられることが多い.
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