今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 非腫瘍・7
大腸憩室症のマクロ・ミクロ像
小松 明男
1
,
坂本 穆彦
2
Akio KOMATSU
1
,
Atsuhiko SAKAMOTO
2
1東京都保健医療公社多摩南部地域病院検査科
2杏林大学医学部病理学教室
pp.616-617
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102678
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憩室症は消化管では食道,胃,十二指腸など広範囲にみられる.しかし頻度のうえからは圧倒的に大腸に多いため,本稿では大腸の憩室症に限定して述べる.
憩室症の定義は,粘膜および粘膜下層が固有筋層を越えて壁外に突出する状態である.原則として漿膜におおわれているため,腹腔内ヘルニア(おおわれていなければ脱)と解される.壁の全層が壁外に突出する真性憩室と,粘膜および粘膜下層のみが固有筋層を越えて壁外に突出する仮性憩室に分類されるが,大腸でみられるものは,ほぼすべて仮性憩室と言っても過言ではないと思われる.
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