今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 悪性腫瘍・4
大腸癌のマクロ・ミクロ像
海野 みちる
1
,
小松 京子
2
,
坂本 穆彦
2
Michiru UMINO
1
,
Kyoko KOMATSU
2
,
Atsuhiko SAKAMOTO
2
1杏林大学医学部病理学講座
2杏林大学医学部付属病院病理部
pp.336-340
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102282
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大腸は盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸S状部・直腸から構成されているが,虫垂・肛門管を含めることもある1).2003年の罹患率は,大腸癌は男女ともに第2位を占め,2007年の死亡率は男性3位,女性1位で,罹患率も死亡率も増加傾向にある.発症年齢は50代以降に増加し,発生部位は7割がS状結腸と直腸である.
有茎病変はスネアポリペクトミー,平坦病変は内視鏡的粘膜切除術などの内視鏡で治療することが多いが,内視鏡的粘膜下層剝離術ESD(endoscopic submucosal dissection)は,大腸では胃に比較して壁が薄く,穿孔などを起こしやすい.また,リンパ節に転移が見つかれば,追加で手術を行い,腫瘍の大きさが2cmを超える場合も深部まで浸潤している可能性が高く,手術を行う1)(図1).
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