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あとがき
濱﨑 直孝
pp.842
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102354
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高齢化社会の反映か,排尿障害改善薬のテレビコマーシャルが流れるほどですから,ずいぶんたくさんの人々が排尿に絡んだ不都合で苦しんでおられることが推測できます.そこで本号では,「排尿障害」を主題として,この領域の第1人者である榊原隆次先生(東邦大学医療センター佐倉病院内科学神経内科)に企画をお願いいたしました.榊原先生のお言葉を借りれば,排尿障害とは,尿意切迫,頻尿,尿失禁と排尿障害,尿閉とを含めた現象を指し,非常に多くの人々がこの症状に悩まされているということです.テレビコマーシャルに排尿障害改善薬の宣伝が出るのがうなづけます.
排尿障害の病因としては,男性では前立腺肥大,女性では骨盤底筋障害,男女共通では神経因性膀胱があります.総論では,その病因についてそれぞれの専門の先生方に基本から最先端の情報までをわかりやすくまとめていただきました.各論では,これからの新しい臨床検査領域としての検査にこだわり,排尿障害の検査を中心に最新の情報を網羅したつもりです.そのためウロダイナミクス,ビデオウロダイナミクスなど聞きなれない言葉が出てきます,また,脳磁図で排尿障害の検査が行われていることを含めて,排尿障害の検査が随分と進歩していることをおのおのの論文より感じております.さらに,膀胱上皮が膀胱の知覚メカニズムに密接に関与していることなど,不勉強にして驚くばかりです.臨床検査の新しい専門領域の確立も必要であるようです.本号が,読者の皆様への有用な情報になりますことを願っております.
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