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あとがき
濱﨑 直孝
pp.390
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101939
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今月の主題は「臨床検査コンサルテーション/診療支援」です.企画は虎の門病院中央検査部の米山彰子先生にお願いいたしました.先生は,現在,日本臨床検査医学会の常任理事であり,医療における臨床検査医学の果たすべき役割とそれをどう実践すべきかを真摯に考え,積極的に取り組んでおられます.その意味でも今月の主題の企画担当者として正に最適な先生だとおもいます.
言うまでもなく,臨床検査医学とは,日進月歩の生命科学研究の成果を活用してヒトの生体成分の分析を行い,その結果から経験だけに頼らず学的・演繹論理的に医療を行うための学問領域です.生命科学研究の発展著しい最近の50年余りの間に徐々に盛んになってきている医学領域です.臨床検査医学はまだ新しいが故に,医学・医療の中ではまだ役割が十分に定着していないともいえます.ただ,目標としての臨床検査医学の役割は実に明快で,生体成分の分析結果から,臨床家へ診断・治療指針を提示することです.そのような活動目標の大きな柱が「臨床検査コンサルテーション/診療支援」になると考えられます.臨床検査医学が十分に育ちあがった暁には,各疾病について“診断・治療の標準的プロトコール”を提案・実践してゆくのが臨床検査医学の重要な役割になるはずです.昨年に厚生労働省から標榜科として「臨床検査科」が認められたのは,このような臨床検査の役割を見据えてのことであると考えられます.また,これも昨年から始まった特定健診・保健指導「メタボリックシンドローム対策」も臨床検査医学の役割を認識しての結果であると考えられます.牛歩ではありますが徐々に成果は実りつつあります.
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