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あとがき
濱﨑 直孝
pp.1372
発行日 2011年10月30日
Published Date 2011/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102828
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2011年の増刊号は「ここまでわかった自己免疫疾患」です.東京医科歯科大学の宮坂信之先生(膠原病・リウマチ内科)に企画をお願いいたしました.総論では,自己免疫疾患の概念,発症機序,関連遺伝子,将来の展望などに関する総括的な基本情報を解説していただき,各論では,自己免疫疾患・膠原病に関連する臨床検査法,代表的な疾患の検査診断・治療の最新情報について,それぞれの専門の先生方にわかりやすくまとめていただきました.一般的に,自己免疫疾患・膠原病については,検査も診断も治療もなかなか難しいと考えられておりますが,この増刊号を手元に置いておけば“鬼に金棒”ではないかと思っております.
校正の時点で原稿を読ませていただいて,最近の進展を特に感じさせられたのは関節リウマチの医療です.感染症など病因が明確になる疾患と違って,自己免疫疾患・膠原病は病因が明確になっているわけではないと理解しております.そのような疾患について,症状,検査データ,発症環境などをスコア化・定量化したうえで,それに基づいて早期診断,早期治療ならびに治療目標の道程を明確にして医療を施行する方向性や,先端的な免疫学研究の成果を利用して次々と開発されている新薬などを考えると,遠からず,自己免疫疾患・膠原病の根本的な治療が完成する期待を抱かせてもらえます.臨床検査にかかわっているものといたしましては,関連する検査の開発や標準化の努力をせねばならないと思っている次第です.
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