今月の表紙 帰ってきた真菌症・7
電顕で見た真菌―透過電子顕微鏡でみた細胞内構造
山口 正視
1
Masashi YAMAGUCHI
1
1千葉大学真菌医学研究センター機能形態分野
pp.756-758
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102029
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ご承知のように,ウイルスを除くすべての生物は細胞からできている.そして,その生物を構成する細胞の特徴が,細菌,真菌,動物,植物などの特徴を決めているのである.
図1は,真菌細胞(クリプトコックス・ネオフォルマンス)の超薄切片の透過電子顕微鏡像で,図2が,その模式図である.生物は,原核生物と真核生物に分けられるが,真菌は後者に属し,その細胞は核膜で包まれた核をもっている.核には核小体があり,核膜には核孔がある.細胞質には,ミトコンドリア,滑面小胞体,粗面小胞体,液胞,リボソーム,ゴルジ体,紡錘極体のほか,マイクロボディ,脂肪滴,グリコーゲン顆粒,自食胞,微小管,微小繊維などがある.細胞質は,原形質膜で包まれ,丈夫な細胞壁が細胞を包んでいる.紡錘極体は,動物細胞の中心小体に相当する小器官で,細胞分裂に際して重要な役割を果たす.
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