技術講座 血液
ABL1遺伝子変異解析
佐藤 優実子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.224-230
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104196
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Point
●白血病では病型に特徴的な染色体転座が認められ,これによって,転座切断点付近にある遺伝子同士が融合したキメラ遺伝子が形成される.
●キメラ遺伝子の検出は診断や治療法の決定,治療効果の判定に役立つ.
●慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia,CML)やフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(Philadelphia chromosome-positive acute lymphocytic leukemia,Ph+ALL)の治療薬として,チロシンキナーゼ阻害剤(tyrosine kinase inhibitor,TKI)が用いられる.
●CMLやPh+ALL症例のなかにはTKIが効かない症例もあり,その原因の多くはABL1遺伝子の変異である.
●TKIが効かない症例では,ABL1遺伝子の解析結果を基に治療方針(治療の継続,治療薬の変更など)を検討する.
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