特集 遺伝子検査―診断とリスクファクター
序
福地 邦彦
1
Kunihiko FUKUCHI
1
1昭和大学医学部臨床病理
pp.1271
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101408
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現在,遺伝子検査で,個人の体質のすべてが明らかになるという風潮があり,数多くの検査が医療機関ばかりでなく,一般にも普及し始めた.そのなかで,広く興味が持たれる高血圧,高脂血症,糖尿病などの生活習慣病関連遺伝子では,家庭で口腔内粘膜を採取し検査会社に送付して検査を行う健康ビジネスも台頭してきた.遺伝子検査の一般化,普遍化は顕著だが,遺伝子情報のなかには,臨床上の診断・治療に真に役立つものと,エビデンスが乏しく,リスクファクターとして捉えるべきものがあり,それらを分けて考える必要がある.
大学病院をはじめとし,基幹病院であっても,院内で遺伝子検査を行っている施設は必ずしも多くない.“対象としている遺伝子検査で何がわかるのか”,“従来検査とどこが違い,どのような利点があるのか”そして,遺伝子検査法が複数ある場合には,“どの方法が目的に合致するのか”をわかりやすく項目ごとに示し,ベンチサイドやベッドサイドなど手元において辞書的に活用できる実践的な解説書の作成を試みた.
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