増刊号 緊急報告すべき検査結果のすべて―すぐに使えるパニック値事典
序
菅野 治重
1
1医療法人社団徳風会 髙根病院
pp.723
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103267
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
医師に緊急に検査結果を報告すべき異常値(パニック値)を理解することは,臨床検査技師にとって重要な課題です.パニック値は患者が極度に重篤化した状態に置かれていることを示しており,患者を救命するためには迅速に適切な治療が必要です.
パニック値を緊急に医師に報告すべき項目としては,生化学検査ではカリウム,血糖値,クレアチニンなどが,血液検査ではヘモグロビン,血小板,FDPなどが代表的です.本書ではこれに加えて,輸血検査,微生物検査,生理検査,一般検査,病理・細胞診の検査,薬物検査などについても迅速な報告が必要なパニック値を取り上げました.微生物検査では,病気の進行が早く治療が遅れれば致命的になる疾患として,細菌性髄膜炎,敗血症,劇症溶連菌感染症などを取り上げました.また,ノロウイルス胃腸炎など患者が発見された場合に早急に院内感染防止策をとる必要がある疾患を取り上げました.生理検査では心電図,脳波,各種超音波検査において生命にかかわるパニック値を紹介しました.一般検査では患者の重篤な病態を示しパニック値と考えるべき尿検査所見と髄液検査所見を紹介しました.病理・細胞診検査でもパニック値と考えるべき事象について解説しました.薬物検査では迅速な処置が必要なパニック値について解説しました.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.