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資料
ヒトアルカリホスファターゼアイソザイムの鑑別法
Discrimination of Human Alkaline Phosphatase Isozymes
菰田 二一
1
,
三浦 雅一
1,2
,
小山 岩雄
1
,
海上 智
1,3
Tsugukazu KOMODA
1
,
Iwao KOYAMA
1,2
,
Masakazu MIURA
1
,
Satoshi UNAKAMI
1,3
1埼玉医科大学生化学教室
2埼玉医科大学教室,東京警察病院中央検査科第一部
3埼玉医科大学教室,実験動物中央研究所血液化学
1Dept. of Biochemistry, Saitama Medical School
2ibid. : Clinical Laboratories Tokyo Metropolitan Police Hospital
3ibid. : Blood section, Central Institute for Experimental Animals
pp.1575-1579
発行日 1986年11月15日
Published Date 1986/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913187
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はじめに
本来生体膜に主として局在するアルカリホスファターゼ(ALPと略記,EC3.1.3.1)は,血中にも出現し1,2),血清アルカリホスファターゼ活性値として肝臓,胆道,骨,腎臓,甲状腺,白血病,自己免疫,悪性腫瘍などの疾患時に適用されるほか,乳幼児の発育,妊娠の経過のマーカーとして臨床上,重視されている3〜10).
そもそも,ALPとは,リン酸モノエステルを基質とする水解酵素群のうちで,アルカリ性側に至適pHを持つものを言い,植物,動物および細菌のいずれにも検出される3).哺乳動物組織中にその存在を初めて証明したのは,GrosserとHussler (1912年)で,その後,1923年,ブドウ糖6リン酸の発見者,Robisonが成長しつつある骨組織に本酵素を見いだし,この応用として血清ALP活性の上昇を骨疾患の診断に利用したのは,Robisonの協同研究者Kayで,1929年のことである.翌年,肝臓疾患にもALP活性が使用できることをRobertsは報告した3).
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