今月の主題 ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)と子宮頸癌
巻頭言
子宮頸癌の診療―わが国のジレンマと対応
坂本 穆彦
1
Atsuhiko SAKAMOTO
1
1杏林大学医学部病理学教室
pp.803-804
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101263
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ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)と子宮頸癌,異形成との関連が明らかにされ,その認識のもとに実地臨床が展開されるようになって久しい.臨床検査という視点からみると,病態の原因がわかっている場合には,その原因因子の人体への関与を具体的に調べあげることが臨床検査にまずは要請される事項である.
子宮頸癌,異形成の検出には,従来より形態学的手法,すなわち細胞診,コルポスコピー診(コルポ診),組織診の3者の連係のもとに行われてきた.この基本は現在でも変わりがない.しかし,加えて近年HPV DNAテストが登場してきた.これを従来の方法とどうからませて運用するかが,今後の大きなテーマとして登場してきている.
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