今月の表紙 代表的疾患のマクロ・ミクロ像 悪性腫瘍・5
子宮頸癌のマクロ・ミクロ像
小松 京子
1
,
海野 みちる
2
,
坂本 穆彦
2
Kyoko KOMATSU
1
,
Michiru UMINO
2
,
Atsuhiko SAKAMOTO
2
1杏林大学医学部付属病院病理部
2杏林大学医学部病理学講座
pp.450-453
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102302
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
現在の「子宮頸癌取扱い規約」1)では(第2版,1997年),子宮頸部腫瘍は,上皮性腫瘍と関連病変,間質性腫瘍,上皮性・間質性混合腫瘍,その他の腫瘍,続発性腫瘍とに分類されている.上皮性腫瘍は扁平上皮病変,腺上皮病変,その他の上皮性腫瘍とに分類される.
子宮頸部悪性腫瘍のうち最も多いのは扁平上皮癌で約77%といわれており,次いで腺癌が約15%(2001年度産婦人科学会腫瘍登録による)である.WHOの分類は2003年に改訂されており(新WHO分類),扁平上皮癌,腺癌ではともに微小浸潤癌が独立して付け加えられ,扁平上皮癌の組織亜型として基底細胞様癌,扁平上皮移行上皮癌が加えられている.また,腺癌の組織亜型として,粘液性腺癌のなかにこれまでの内頸部型,腸型と並列に,minimal deviation adenocarcinoma(MDA),絨毛腺管状乳頭腺癌,印環細胞癌が加えられ,特殊型の神経内分泌腫瘍はカルチノイド,異型カルチノイド,小細胞癌,大細胞神経内分泌癌に分けられた.本稿では扁平上皮癌,腺癌,小細胞癌の症例を提示する.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.