Japanese
English
特集 超高齢期の精神疾患
超高齢期の統合失調症様精神病性障害
Schizophrenia-like Psychosis in Very Elderly People
横田 修
1,2
,
三木 知子
1,2
,
山田 了士
2
Osamu Yokota
1,2
,
Tomoko Miki
1,2
,
Norihito Yamada
2
1きのこエスポアール病院精神科
2岡山大学学術研究院医歯薬学域精神神経病態学
1Department of Psychiatry, Kinoko Espoir Hospital, Kasaoka, Japan
2Department of Neuropsychiatry, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences
キーワード:
嗜銀顆粒
,
argyrophilic grain
,
神経原線維変化
,
neurofibrillary tangle
,
レビー小体
,
Lewy body
,
タウ
,
tau
,
αシヌクレイン
,
α-synuclein
,
超高齢期
,
oldest-old
Keyword:
嗜銀顆粒
,
argyrophilic grain
,
神経原線維変化
,
neurofibrillary tangle
,
レビー小体
,
Lewy body
,
タウ
,
tau
,
αシヌクレイン
,
α-synuclein
,
超高齢期
,
oldest-old
pp.21-30
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206534
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抄録 85歳以上の超高齢者における統合失調症様の精神病性障害に関する知見は多くはない。スウェーデンのnation-wideの調査では,罹患率(発生率)は80歳以上で特に女性において著しく上昇し,男性の約1.6倍に達する。生活因子として,子の精神病性障害の既往,子の死亡,配偶者の死亡,低い社会経済状態が発症に関係するとの報告がある。歴史的に難聴や視覚障害との関係が言われてきたが,過去の結果は一貫していない。認知機能は無症状高齢者と比して幻覚を有する例で有意に低く,妄想を有する例では有意な差がなかったとの報告がある。85歳時に女性で幻覚を有する状況は3年以内の死亡と有意な関係があり,85歳時の幻覚,妄想,妄想様観念は3年以内の認知症発症に関係する可能性がある。少なくとも一部の症例で神経変性が発病に関与している可能性があり,将来はタウやαシヌクレインに関するサロゲートマーカーに基づいた分子治療が目指されると考えられる。
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