学会だより 第55回日本医学検査学会
臨床検査室の存在が問われるマネジメント
野本 剛史
1
1日本医科大学千葉北総病院医学検査部
pp.942
発行日 2006年8月15日
Published Date 2006/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100699
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第55回日本医学検査学会が,2006年5月19日(金)・20日(土)に島根県松江市の島根県民会館・くにびきメッセ・松江テレサにおいて開催された.一般への公開を目的とした初日の特別講演では,わが国における移植医療の歴史と現状を,前島根大学医学部消化器・一般外科学教授の末松直文先生が講演された.その後の文化講演では島根県立女子短期大学助教授の小泉凡先生より,地元出身で歴史的な名士である小泉八雲から21世紀を考えると題した講演のうち,同じく地元出身の俳優佐野史郎さんがこの小泉八雲作品を朗読され,これらの講演では,医療の歴史と地域に密着した文化的な歴史の双方に触れることができた気がした.その他では各部門別のシンポジウムや教育カンファレンスにおいて日常検査での問題点やその対策,今後の動向を踏まえて各々の専門分野制の内容が熱心に討議されている.
しかしながら,今回の学会ではメインテーマが「ひらめきと伝承」とされているが,内容的にはひらめきも不明であり何が伝承されるものなのかも曖昧なケースとなり,歴史的な伝承事項としては出雲の国の所以なのか,学会懇親会においての演目に尽きるであろうと思われた.中でも発表形式におけるスライド対応は,ここ数年来の経験より受付の流れが比較的スムースに行われているように見受けられたが,発表内容では例年のごとく一般的事例の検討報告,新規項目・新規工夫による検査方法の成績報告が概ねの中心を成している.
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